ジオテキスタイルシンポジウム発表論文集
Print ISSN : 0913-7882
多段積み内包式ジオテキスタイルの安定性
峯岸 邦夫巻内 勝彦
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1993 年 8 巻 p. 68-74

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抄録

土嚢(のう)のような土質材料を内包する形式の工法は,内部の土をジオテキスタイルにより変形拘束することにより,その力学的強度を増強させ土構造物の安定を図ることができる利点があり,土留めや埋立て地の斜面部への利用性が高い。この内包式ジオテキスタイルの力学的基本特性を明らかにするため,千鳥または正方に積層した場合の圧縮特性,せん断抵抗性,斜面安定性,および土留めなどの壁体部に用いた場合のジオテキスタイル間の摩擦効果について,室内模型実験を行ない調べた。その結果,圧縮性は,細礫のほうが砂より小さく,また緩詰め,気乾条件,正方積みにおいて大きいこと,せん断抵抗は,内部の土の種類よりも密度に関係すること,安息角は,千鳥積みが正方積みより大きいが積上げ段数とともに低下すること,また壁体状態における摩擦特性は相対詰め率80~60%で最適な安定性が得られることなどが明らかとなった。

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© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
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