1995 年 10 巻 p. 93-101
本研究は、ジオシンセティック(織布)を用いて室内土層モデル試験を行い、ジオシンセティックを地盤表面あるいは地盤中に敷設した場合と、敷設しない場合とについて地盤中の変形を観測・解析し、軟弱粘性土とジオシンセティックの摩擦特性試験結果などを踏まえ、既往のTerzaghiの支持力理論を基本とする支持力算定法の検討に基づき、軟弱地盤に対するジオシンセティック敷設の支持力補強と地盤変形抑制の効果についてのメカニズムとその評価方法について考察を行った。
その結果、地盤表面の変形を2次曲線として近似することによって従来の方法に比べ半径や傾斜角の算出に個人誤差の影響を受けないこと、全支持力の中でジオシンセティック敷設によるハンモック的効果の受け持つ割合が大きいこと、地盤中にジオシンセティックを敷設する場合、一定以深になると敷設効果が発揮できないことなどが明らかとなった。