ジオシンセティックスシンポジウム発表論文集
Online ISSN : 1884-3719
Print ISSN : 1344-3496
軟弱地盤上の高築堤盛土の施工について
栗林 賢一乾 司一志 義晴
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1996 年 11 巻 p. 118-124

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抄録
福知山線尼崎~塚口間は、上下線の一部区間が0.5km程離れた配線となっている。それを立体交差事業により、上下線が元の下り線の用地内に並行できるように、既設の下り線盛土の両側に腹付け盛土を施工する。
そのため、営業線と民家に挟まれた狭隘な条件での施工を余儀なくされ、大型機械の搬入が不要で、公害が少なく、根掘が最小限に留められる工法が求められた。
また、盛土区間は盛土高さが7m程度ある上、基盤の地盤がGLから5m程度まではN値が2~3の地質となっており、非常に軟弱であるため、従来の擁壁構造であれば杭の打設が必要となり、当該工区の狭隘な条件では施工が困難であった。
そこで、小型の機械で施工可能な攪拌混合杭を施工して一部地盤改良し、その上に補強盛土を構築することによって当該現場の施工上の問題に対処した。また、阪神淡路大震災時にも目立った変状がみられず耐震性の信頼性も確かめられた。本論はその詳細について述べたものである。
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© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
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