抄録
本研究では、EPSブロックを緩衝材として擁壁背面に設置したジオグリッド補強砂の、擁壁土圧の低減効果に及ぼす影響を調べるため、大型模型土槽を用いた実験を行った。土槽内に豊浦砂を相対密度75%で締固め、EPSブロック・ジオグリッドの埋設方法の異なる5種類の模型地盤を作製した。実験結果より、EPSブロックを緩衝材として可動壁面に埋設することにより、可動壁に作用する静止土圧が低減されることが確認できた。また、EPSブロックを可動壁面に沿い埋設し、さらにEPSブロック間にピン結合したジオグリッドを模型地盤背面に敷設することにより、ジオグリッドのみを埋設した模型地盤と比べて、主働土圧がより低減されることが確認できた。したがって、本実験シリーズより、擁壁土圧の低減に関するEPSブロックとジオグリッドの併用効果を確認することができた。