抄録
筆者らは補強土壁の壁面部分に改良土を配置し、ジオグリッドと組み合わせる新しいタイプの補強土壁の開発を進めてきた。改良土とジオグリッドの引抜き実験や模型載荷実験、現場施工実験などをへて、実施工例も8例(平成13年8月現在)にのぼっている。ここでは模型実験や現場実験などで測定されたデータから土圧や地盤反力の作用状態、ジオグリッドのひずみ分布などを示し、補強メカニズム等を考察する。その結果、改良土は一体として挙動し、改良土の効果によりパネルにはほとんど土圧が作用しないこと、また、ジオグリッドに発生するひずみより、改良土とジオグリッドを組み合わせる補強効果が発揮されることなどが確認できた。またあわせて、実施工例を紹介する。