ジオシンセティックス論文集
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ISSN-L : 1344-6193
16 巻
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  • 三浦 哲彦
    2001 年16 巻 p. 1-8
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    佐賀平野は典型的な低平地地盤であり,高鋭敏性・高圧縮性の沖積軟弱粘土が5mから25mの厚さ堆積している,また地下水の過剰揚水に起因する広域地盤沈下が地域一帯に生じるために,建築物や道路などにおいて不等沈下が発生しやすい.これらへの対策工法としてジオシンセティックスを利用することも少なくない.本文では,低平地地盤におけるジオシンセティックス技術の利用に関する8つの事例を紹介する.取り扱った材料は,浚渫粘土の堤防材料への利用に関するフィルターの利用,軟弱地盤圧密促進のためのプラスチックボードドレーン利用,粘土地盤と粒状材料の分離のためのフィルター利用,軟弱地盤上の下水道管基礎および堤防樋管基礎の補強,ならびに道路路盤を補強するためのポリマーグリッドまたはガラスグリッドの利用,などである.
  • 巻内 勝彦, 峯岸 邦夫, 山口 慎吾, 星野 郁夫
    2001 年16 巻 p. 9-12
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    短繊維混合補強土工法は,土中にジオシンセティックスの短繊維(short fiber)補強材を分散混合することにより,せん断強度特性の向上や靭性(ねばり強さ)などの力学性状の改善を図る目的で用いられ,また,建設発生土の有効利用や緑化対策など広い用途にも付加機能を期待できる工法である。短繊維補強材の素材,形状,寸法,剛性,表面摩擦性状などが補強の力学的特性に及ぼす影響については未解明な部分が多い。本研究では,短繊維補強材の補強効果の向上を図る目的と共に,将来における土の転用や再利用の際に,元の天然材の土に還元するため,補強材除去(回収)が容易に可能な材料の開発を意図して枝付き繊維補強材(広義のリブ付き繊維の一種)を考案した。この補強材の形状と混入率が補強効果とそのメカニズムに及ぼす影響を一軸圧縮試験,大型一面せん試験(せん断箱寸法320×400×240mm)により調べ,考察した。
  • 石濱 吉郎, 桑野 二郎, 高橋 章浩, 井澤 淳
    2001 年16 巻 p. 13-18
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    現在、日本でも多くの種類のジオグリッドが使用され、盛土構造物の安定性に大きく寄与している。それぞれのジオグリッドの持つ材料特性が引き抜き特性に与える影響は個々に調べられているが、相互比較は必ずしもなされておらず、異なる材料特性が補強効果にどのように影響するかということについては十分に調べられていない。そこでグリッドの形状、剛性、表面摩擦など、材料特性が異なるジオグリッドを作製し、土中引き抜き試験を行いジオグリッドの材料特性が引き抜き特性に及ぼす影響について調べた。特に本実験ではジオグリッドの剛性が変わることによって引抜き抵抗にいかに影響するかという点に着目した。
  • 平川 大貴, 龍岡 文夫, 内村 太郎
    2001 年16 巻 p. 19-26
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ジオテキスタイルの引張り特性の予測には、Isochronous理論が広く用いられている。この理論では一定のひずみ速度での載荷やクリープ・リラクゼーション時での引張り特性を近似的に表現できるが、ひずみ速度が任意の一般的条件下に変化する場合のジオテキスタイルの時間依存変形特性を合理的に予測することは困難である。本研究ではジオグリッドの時間依存変形特性を実験的に調べ、その構成モデルの検討を行った。提案した構成モデルを用いて引張り試験結果をシュミレーションした結果、今回用いたジオグリッドの強度変形特性は等時理論には全く従わず、基本的には現在のひずみ量と非可逆ひずみ速度に支配され、ひずみ履歴にも影響を受けていることが確認された。また、実験結果は提案するモデルによって正確に説明できることが分かった。
  • 井原 俊一, 桝尾 孝之, 田村 幸彦, 矢口 直幸
    2001 年16 巻 p. 27-30
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    剛壁面補強土壁工法用ジオグリッドの長期供用後の引張強度試験を実施し、保持強度を確認した。当該ジオグリッドは、鉄道の高架橋取付け盛土部の擁壁および橋台に剛壁面補強土壁工法が適用された箇所で使用され、平成5年から約8年間の供用後、撤去・回収されたものである。剛壁面補強土壁工法は、平成元年ころから採用され始めたが、鉄道の本設構造物での適用が多く、大規模な撤去工事が行われることはなかった。したがって、補強材のジオグリッド等についても、今回ほどの長期供用後の強度検証が行われた例は無い。本調査では、ジオグリッドの長期供用後の強度について、貴重なデータを収集することができた。
  • 宮田 喜壽, 重久 伸一, 木暮 敬二
    2001 年16 巻 p. 31-36
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    地震ハザード情報を活用する補強土壁の信頼性解析法について検討した.本論文では,補強土壁の信頼性解析法を提案し,設計変数の不確定性,補強材の敷設条件,想定地震動の強さの影響について検討した結果を示す.主要な結論は以下に示すとおり.(1) 提案法は,設計変数および地震動の不確定性を考慮して,6つの破壊モードに対する補強土壁の安定性を評価する.(2) 補強材に関する設計変数の不確定性の方が盛土材に関するそれよりも安定性に及ぼす影響が大きい.(3) 補強材配置の影響は破壊モードの種類に依存する.(4) 想定地震動の強さが大きくなると,滑動,転倒に対する安定性の低下が顕著になる.
  • 井沢 淳, 桑野 二郎, 高橋 章浩
    2001 年16 巻 p. 37-44
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ジオグリッドによる補強土工法は,過去の地震時挙動から高い耐震性を有することが知られている.したがって,破壊の有無のみでなく,地震時の変形に対する考慮が重要になってくる.一方,補強材の材料特性が補強効果に与える影響については不明な点が多く,地盤の変形抑制にどのような補強材が有効なのか分かっていない.本研究では形状や材質などの補強材特性を変えた模型補強材を作製し,引き抜き試験を実施するとともに,震度法を模擬した遠心傾斜台実験を行い盛土の地震時安定性を検討した.その結果,剛性の高い補強材を用いることにより土塊の変形を拘束でき,高い地震時安定性を示すことなどが分かった.また,Two-Wedge法による安定計算において,引き抜き強度を低減することにより補強材の剛性の違いを安定性評価に反映させることができた.
  • 半井 健一郎, 篠田 昌弘, 渡辺 健治, 舘山 勝, 内村 太郎, 龍岡 文夫
    2001 年16 巻 p. 45-52
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    Level II地震動に耐えうる耐震性橋台を開発する目的で、改良型のラチェット機能付きプレストレス維持装置(略称:ラチェット装置)を用いたプレローディド・プレストレスト(PLPS)ジオテキスタイル補強土橋台の耐震性を振動台実験により検討した。その結果,ラチェット装置の働きによってプレストレスが維持され高い耐震性能を実現できること、プレストレスがある程度低下しても盛土の膨張を瞬時に拘束できれば十分な耐震性を維持できること、橋台内の位相のずれによって地震時のエネルギーを吸収できることが明らかになった。
  • 渡辺 健治, 舘山 勝, 米澤 豊司, 青木 一二三, 龍岡 文夫, 古関 潤一
    2001 年16 巻 p. 53-60
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震などの過去の大地震において橋台が大きく変位し、背面地盤が沈下する被害が多く報告されている。筆者らはL2地震動に対しても十分高い耐震性を有する新しい構造形式の橋台を提案してきた。本研究では、アプローチブロックをセメント改良土で製作し、補強材を用いて橋台と一体化したセメント改良補強土橋台・セメント改良補強土小橋台、またプレストレス維持装置を用いたプレロード・プレストレスト(PL/PS)補強土橋台の模型振動台実験を行い、各橋台の地震時挙動について検討したので報告する。
  • 加藤 範久, 龍岡 文夫, 黄 景川, 舘山 勝, 古関 潤一
    2001 年16 巻 p. 61-68
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1999年の台湾集集地震において斜面上に位置する擁壁が多数倒壊した。そこで、大地震における斜面上の擁壁の破壊メカニズムおよび地震時安定性を調べるために、従来型擁壁、補強土擁壁、ネイリング補強擁壁の合計5種類の擁壁模型を用いて段階的不規則波加振実験を行なった。その結果、斜面上の従来型擁壁は低震度において支持力破壊が生じ、大変位した。剛な一体壁面工を有する補強土擁壁は比較的高震度になってから大きなすべり面が生じ、破壊に至った。一方、ネイリングをしたもたれ式擁壁、補強土擁壁は1gを超える加速度でも変位が小さく、非常に強い耐震性を示した。ネイリングが斜面上の擁壁の補強方法として効果的であると同時に、既設のもたれ式擁壁にも新設の補強土擁壁にも適用できることが分かった。
  • 毛利 栄征, 松島 健一, 山崎 真司, 末永 悟志
    2001 年16 巻 p. 69-74
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    急斜面上へ施工される構造物は,地形条件から路線選定やその構造に大きな制約を受ける.従来の工法では,基礎部に堅固な支持力を要求するため,大規模な工事となる.そのため,地形条件による制約を受けにくく,簡便に施工できる工法の開発が必要とされる.補強盛土工法は,剛構造物を併用した従来の盛土工法の代替として有効な工法であるが,斜面と補強盛土の境界面における摩擦特性や土と補強材の相互作用によって発揮される補強メカニズム,壁面の剛性による補強盛土塊内に及ぼす影響については十分解明されていない.そこで,急斜面を想定した地山を設け,補強盛土を構築し,補強材と地山を固定するアンカーを併用した載荷実験を行った.この結果,補強盛土の強度・変形特性がアンカーの位置,補強材の剛性,壁面の剛性により変化することが確認された.
  • 彭 芳楽, 龍岡 文夫, M. S. A. SIDDIQUEE, 小竹 望, 黄 景川
    2001 年16 巻 p. 75-82
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    フーチング直下に線状の引張補強材を水平に配置した密な空気乾燥豊浦砂の模型水平地盤の平面ひずみ支持力実験を対象として、修正エネルギー硬化モデルを用いた弾塑性FEM解析を適用した。砂のモデルは、応力履歴に依存しない修正された塑性ひずみエネルギーに基づく硬化則を用いた等方硬化・軟化非関連流れ則による弾塑性モデルであり、砂の変形の応力履歴・応力経路の依存性、弾性係数の異方性、内部摩擦角の異方性及び拘束圧・初期密度の依存性、せん断帯の発生ひずみの局所化を考慮した。また、砂の応力・ひずみ関係の構成式における粘性効果を、三要素モデルを基本としたモデルで定式化した。補強材の長さ、層数、間隔を変化させた種々のケースと無補強の模型実験を解析した。FEM解析で得られた荷重~沈下量関係は、実験結果よりピーク荷重が少し大きい傾向を示したが、補強材の配置が補強効果に与える影響は実験結果とほぼ同様な傾向を示した。また、せん断帯の発生状況の比較から、実験で確認された破壊形態がFEM解析により良く再現されることが認められた。
  • 二宮 庸平, 落合 英俊, 安福 規之, 河村 隆
    2001 年16 巻 p. 83-90
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    著者らのこれまでの一連の研究では、ジオグリッド補強土構造物の一部分を想定することにより引張り補強効果を実験的に検討し、その効果はジオグリッドに発生する引張り力に起因する引張り補強効果とそれ以外の効果である拘束効果の和であることを明らかにしてきた。そして、引張り補強効果以外の補強効果である拘束効果の定量的評価を行っている。
    本報では、補強土擁壁を想定した二次元積層体モデル実験装置を用いて測定される土圧に着目して補強効果を検討した。それにより、引張り補強効果以外の効果が土圧軽減効果として発揮されていることを確認し、その効果を拘束効果と考え、補強材敷設間隔との関連性を調べた。また、この土圧軽減効果とこれまでの一連の研究より得られた拘束効果パラメータの関係をモール・クーロンの破壊包絡基準を用いて考察し、今後の課題についても述べた。
  • 河村 隆, 梅崎 健夫
    2001 年16 巻 p. 91-96
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ジオグリッド補強土(ジオグリッド補強土構造物においてすべり面とジオグリッドが交差する付近の微小部分)の強度の評価式に基づいて,拘束効果を導入した破壊規準を提案している.本文では,破壊時におけるジオグリッドの引張力の深さ方向分布をランキン主働土圧分布と等しいとして破壊規準を修正し新たに提案する.既往の研究におけるジオグリッド補強土壁の実物大崩壊実験において実測された壁背面土圧と新しく提案した破壊規準に基づいて算定される破壊時の水平土圧の比較を行う.その結果,拘束効果の度合を表す拘束効果パラメータβ=0.2~0.5のときに実測値と計算値がほぼ等しくなる.この値はジオグリッド補強土を模擬した室内せん断試験の結果ともほぼ一致する.このことより提案した補強土の破壊規準の妥当性が示唆される.
  • 吉田 眞輝, 伊藤 修二, 横田 善弘, 荒井 克彦, 市川 東
    2001 年16 巻 p. 97-102
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    地盤補強工法としては種々な方法があるが、補強土壁工法の基礎地盤処理対策として、ジオグリッドにて中詰材(砂・砕石など)を包み込む方法が採用された。これにより、ジオグリッドと中詰材の組み合わせからなる補強体の剛性が高められ、構造物の支持力の向上と不等沈下防止、沈下量の低減などの効果がはかれるものと期待された。軟弱地盤の補強においては、補強体の変形特性が大きく支持力に関わってくることが、室内実験などにより確認されている。しかし、実際の施工現場での確認やジオグリッドの変形状況はほとんど報告されていない。また、様々な設計方法が提案されているが、確固たる設計方法が確立されていないのが現状である。そこで補強体の変形特性とその効果についての確認を行うために水位計を利用した補強体全体の変形量の計測とひずみゲージを用いたジオグリッドに作用する張力の計測を実施し、補強体の変形特性とその効果についての報告を行う。
  • 伊藤 秀行, 斉藤 知哉, 佐藤 文雄
    2001 年16 巻 p. 103-110
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    筆者らは補強土壁の壁面部分に改良土を配置し、ジオグリッドと組み合わせる新しいタイプの補強土壁の開発を進めてきた。改良土とジオグリッドの引抜き実験や模型載荷実験、現場施工実験などをへて、実施工例も8例(平成13年8月現在)にのぼっている。ここでは模型実験や現場実験などで測定されたデータから土圧や地盤反力の作用状態、ジオグリッドのひずみ分布などを示し、補強メカニズム等を考察する。その結果、改良土は一体として挙動し、改良土の効果によりパネルにはほとんど土圧が作用しないこと、また、ジオグリッドに発生するひずみより、改良土とジオグリッドを組み合わせる補強効果が発揮されることなどが確認できた。またあわせて、実施工例を紹介する。
  • 村上 明, 矢崎 澄雄, 鹿島 隆, 青木 一二三, 米澤 豊司, 舘山 勝
    2001 年16 巻 p. 111-118
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    軟弱地盤上に鉄道盛土を構築するにあたって,開業後の沈下を極力抑制するために深層混合処理工法とジオテキスタイルとの併用工法を採用した。その際に,攪拌混合杭の間隔と盛土高さの関係によりジオテキスタイルに生じるひずみや未改良部と改良部の応力や不同沈下の抑制効果など,静的および動的荷重状態での挙動の違いを把握する必要が生じた。そこで現地において2種類の高さの試験盛土を構築して,各種計測計器を設置し列車走行を模擬した動的載荷試験を実施し,現地で適用した盛土構造の効果を検証することとした。また,併せて解析により現在実施されている設計法の合理化について検討することとした。高盛土の試験結果については前回報告しており,本論文では,2種類の盛土に対する載荷試験結果の比較と評価,および解析をもとに検討した設計法の合理化について述べるものである。
  • 藤井 俊逸, 田中 信貴
    2001 年16 巻 p. 119-125
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    2000年10月6日に発生した鳥取県西部地震では,随所で液状化による被害が見られた.基礎地盤の安定処理としてジオテキスタイルを用いた箇所では被害が少なかったことから,その状況について事例報告を行う.また,なぜジオテキスタイルが効果的であったのかを考察した.その際,直感的に理解するための実験を土が粒状体であるという観点から行った.その結果,引張抵抗がない粒状体の欠点をジオテキスタイル(引張抵抗材)で補うことで安定した土構造物を確保できることがわかった.
  • 山野 巌, 間 昭徳, 新谷 秀人, 今村 哲谷
    2001 年16 巻 p. 127-132
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    道路盛土において,鋼製壁面材を使用したジオグリッド急勾配補強土壁が急速に普及している。この時,補強材の道路延長方向配置は,原則的に補強材を同一高さに敷設する所謂全面敷設による方法の他に,安全性が同一でより経済的な設計が可能な千鳥配置が提案されており,これまで問題なく施工された事例が国内で1,000件以上ある。千鳥配置を採用することにより,壁面安定補助材なしで全ての壁面材に主補強材(ジオグリッド)が連結され,より合理的な設計・施工が可能となる。
    本論では,次の内容について紹介する。(1) 千鳥配置についての詳細な説明(2) 設計・施工事例の紹介
  • 間 昭徳, 平井 貴雄, 前田 英史, 横田 善弘, 荒井 克彦
    2001 年16 巻 p. 133-140
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    現在、道路盛土において、鋼製壁面材を使用したジオグリッド急勾配補強土壁が急速に普及している。しかし、これらに防護柵を設置する際、未解明な点が多い。
    本論では、これらを解明するための第一歩として実物大盛土における現場実験結果を紹介する。
    本実験の目的は、防護柵を設置した際、水平荷重がジオグリッド急勾配補強土壁、ジオグリッドに及ぼす影響の調査である。
    本実験の内容は、静的,動的荷重を防護柵にかけた際の補強土壁の変位把握、補強材、防護柵など状況把握、静的荷重を防護柵にかけた際の補強材のひずみ分布、盛土の水平土圧変化把握である。
  • 久保 哲也, 横田 善弘, 吉田 眞輝, 荒井 克彦, 篠原 久雄, 竹内 一介, 和田 秀一
    2001 年16 巻 p. 141-146
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    日本海沿岸は,地形が急峻で地質もぜい弱であるうえ、厳しい気象条件から落石危険度の高い箇所が多々みられる。そこで、筆者らはこのような地形条件と大きな落石エネルギーに対応できる落石防護対策工として、ジオシンセティックスを用いた補強土擁壁を使用することを考えた。この落石防護擁壁工は、補強土壁の天端にて落石を受け止める工法であり、落石衝撃力を盛土材とジオグリッドにて吸収する。これまでの研究では、50kNの重錘を20mの高さから鉛直落下させるなどの実験を行い、衝撃吸収性能の評価やメカニズムについての基礎的な研究を実施してきた。
    今回の落石防護における実証実験は、実際の現場における施工性の確認を行うとともに実物の石を斜面上に落下させ、落石の軌跡と衝撃力、落石防護擁壁の挙動を確認することを目的とした。本論文は、予備実験として行った衝撃緩衝材料の性能実験と本施工における施工性および構造物の挙動を計測した結果を報告する.
  • 内村 太郎, 舘山 勝, 田中 郁夫, 龍岡 文夫
    2001 年16 巻 p. 147-154
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    プレローディド・プレストレスト(PL・PS)補強土工法は、プレロードとプレストレスによって補強盛土の剛性を飛躍的に高め、より大きな荷重を受ける構造物(橋台、橋脚、重要構造物の基礎など)にも応用できるようにする。この工法による実施工の鉄道橋橋脚が、約3年半の供用期間を終えた。橋梁の解体に伴って橋脚に鉛直方向の繰返し載荷、クリープ載荷を含む様々な荷重を加える試験を行い、変形挙動を計測した。本論文では、その載荷試験の結果と、建設から供用終了まで約4年半にわたって連続的に計測された橋脚の挙動から、PL・PS補強土橋脚の変形特性について考察する。
  • 柴田 芳雄, 平川 大貴, 篠田 昌弘, 内村 太郎, 龍岡 文夫
    2001 年16 巻 p. 155-158
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    プレローディド・プレストレスト(PL・PS)工法により補強盛土の剛性と残留沈下特性を飛躍的に改善できることは、過去の研究により確認されてきた。しかし、従来のほとんどの研究は静的載荷や地震動に対する応答についてであり、変形の時間依存性に関する研究はほとんど行われていない。これに対して、補強土構造物に対して実際の建設時には異なる載荷履歴が加わり、供用時にはあるレベルの荷重が継続して加わることが普通である。このような変形を正確に予測するためには、単調繰返し載荷や荷重保持載荷を含めた一般の応力履歴に対する変形特性を知ることが必要である。本研究では、プレロード状態において荷重保持、繰返し載荷を行い、その両者がその後のプレストレス時の繰返し載荷での変形特性に与える影響について調べた。
  • 安原 一哉, 中里 知成
    2001 年16 巻 p. 159-162
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    著者らは、先に、ジオシンセティティックス敷設地盤の補強効果を支持力と地盤反力係数の両面から判断するためのダイアグラム(支持力増加比quR/quNと地盤反力係数増加比KiR/KiNをX-Y算術目盛りにプロットしたもの)提案した。そして、これによって、用いた材料や敷設方法が、地盤の剛性・強度のどちらの補強に貢献しているかを理解することができることを指摘した。本文では、これらの成果を踏まえて、支持力増加比quR/quN(=Rq)と地盤反力係数増加比KiR/KiN(=RK)をパラメータとして、双曲線型荷重・沈下関係に基づく、ジオシンセティックス補強地盤の沈下予測方法を提案する。これによれば、(1) ジオシンセティックス敷設地盤の沈下抑制効果は、支持力安全率、支持力増加比、地盤反力係数増加比によって表現できること、(2) 沈下抑制のためには支持力安全率は、1.5以下であっても沈下抑制効果はあること、(3) 砂層の間にジオシンセティックスを敷設したサンドイッチ構造の沈下抑制効果を説明できることなどが分かった。これらの知見は、ジオシンセティックス敷設地盤の補強効果を高める設計・施工方法の立案に役立てうると考えられる。
  • ゴーシュ チャンダン, 安原 一哉, 小峯 秀雄, 村上 哲
    2001 年16 巻 p. 163-168
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    補強した砂地盤におけるジオコンポジットの有効性について模型試験装置を用いて調べた。模型試験装置は10cm幅の載荷を変位制御で行なうことができる土槽である。フーチング下中央にジオコンポジットを1枚敷設し、深さと長さを変化させて実験を行なった。また、模型地盤は3つの異なる密度での乾燥した豊浦砂を用いた。実験結果から補強材の最適な敷設は長さが2Bから3Bの間で、深さが0.25Bから0.5Bの間であることが分かった。これらの傾向は,3つの異なる密度で同様に観測された。特に、荷重-沈下関係はDr=70%において改良効果を示した。
  • 柴 錦春, 三浦 哲彦
    2001 年16 巻 p. 169-174
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    補強・排水ジオテキスタイル(RD-G)を用いる粘性土盛土の建設においてRD-G間における粘性土の非排水強度の予測法について、簡易法を提案した。有限要素法解析結果と比べて、簡易法は盛土中の間隙水圧を過大評価するが、その差はかけた荷重の約5%であるので、実務上に十分な精度があると考える。また、粘性土の非排水強度の予測に必要なRD-Gの排水能力(Qw)について、室内試験で検討した。その結果により、(1) 拘束圧の増加によって、Qwが著しく低下すること、(2) 粘土拘束する場合、時間の経過に伴って、Qwが大きく減少することが分かった。設計上に適切な拘束圧且つ粘土拘束下で長期的な試験値を利用すべきことを提案した。さらに、提案法によって、粘性土盛土の非排水強度における施工速度とRD-Gの排水能力の影響を定量的に検討し、提案法はRD-G補強された粘性土盛土の設計に役に立つことを示した。
  • 山崎 英記, 柴 錦春, 三浦 哲彦, 野村 忠明
    2001 年16 巻 p. 175-180
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    軟弱地盤上の盛土底面に敷設したプラスチック水平ドレーン(PHD)の通水能力(qw)について、粘土拘束下の室内試験で検討した。試験した二つのPHDにおいて、拘束圧は20kPaから200kPaまで増加した場合、qw値の減少率は約20~40%で、拘束圧200kPaでの短期通水能力はそれぞれ約40,000、100,000m3/yr/mであったこと、3ヶ月時点のqw値は初期値の約40%と80%であることを明らかにした。有明海沿岸道路の一部の地盤・盛土条件を想定して、FEM解析で盛土底面のPHDの排水機能を調べた。解析結果によって、PHDのqw値は1,000m3/yr/m以上であれば、qw値は盛土の沈下にほぼ影響しないこと、qw=1,000m3/yr/mの場合では、PHD中の動水勾配は約0.02であること、PHD中の伸張ひずみは約2%、圧縮ひずみは約5%であることが分かった。従って、試験された二つのPHDは、盛土底面の排水材として利用できることを示している。
  • 巻内 勝彦, 峯岸 邦夫, 塩野 真康
    2001 年16 巻 p. 181-184
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    浸透水の排水を考慮しなければならない場合の地盤材料(高含水比粘性土の建設発生土を含む)を用いて構築した盛土体または擁壁などの構造物背面などにおいて,その地盤内にジオテキスタイル(面内方向通水性と面外の垂直方向透水性の両者の機能を有するシート状のドレーン材)を水平敷設したときの水理特性を把握する基礎的な実験として室内モデル実験を行った。土とジオテキスタイルの複合体には面内方向の通水性能,垂直方向の透水性能が存在し,ジオテキスタイル単体の性能だけでなく,土の透水係数とも関係し複合体構造になっている。今回は水平排水材を敷設した盛土構造物を想定して試験モデルを作成し,土槽内にジオテキスタイル一層を敷設し,ジオテキスタイルの種類,載荷重,試料土の種類,締固め度(湿潤密度)などの条件を変化させ,ジオテキスタイルドレーン材が集排水性(通水・透水性能)にどのような影響を与えるかを調べた。
  • 中村 真司, 今泉 繁良, 葛巻 賢二, 佐藤 剛志
    2001 年16 巻 p. 185-190
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    廃棄物最終処分場では内部の浸出液による影響が場外へ及ばないように遮水シートが用いられており,この遮水シートの保護材としてジオテキスタイルが使用されている.最終処分場の基盤の沈下にともない遮水シートにはひずみが発生するが,このひずみは保護材として敷設するジオテキスタイルの影響を受けることが知られている.筆者らは,落とし戸装置を設けた鋼製の土槽(長さ25cm,幅90cm,深さ70cm)を用いて,基盤を局所沈下させた場合の遮水シートに発生するひずみを調べた.特に,ジオテキスタイルと共にジオグリッドを使用し,柔らかい遮水シート(FPA)に対する影響を調べた.この結果,ジオグリッドとジオテキスタイルを併用した場合の最大ひずみ量は,ジオメンブレン単体での最大ひずみ量に対して約50%となった.これにより,ジオテキスタイルとジオグリッドは遮水シートに対して補強効果を発揮していることがわかった.
  • 今泉 繁良, 池田 浩和, 吉直 卓也, 宮地 秀樹
    2001 年16 巻 p. 191-198
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    遮水シートの突き刺し抵抗に関し,指標試験よりも性能試験という立場から,貫入棒として、先端角約15度,65mmの釘を用い、これを速度500mm/minで貫入させた。シートには厚さ1.5mmのHDPE,FPA,EPDMを、不織布には、長繊維不織布(目付量450g/m2)、補強短繊維不織布(目付量1200g/m2)を用いた。まず、強度を変化させて締め固めた模型地盤の上に不織布、シート、不織布を敷いた構造に対して突き刺し試験を実施し、その結果をASTM準拠の貫入棒(直径8mm、先端角130°)による結果と比較した。
    次に2重シート構造について、HDPEを対象に、その下層、中間、上層に用いる保護材としての長繊維と短繊維を変化させた構造に対して突き刺し試験を実施した。
  • 伊勢 智一, 矢口 直幸, 舘山 勝, 田村 幸彦, 池田 幸雄
    2001 年16 巻 p. 199-202
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    地下構造物内部への地下水流入防止には種々の防水材が使用されているが、防水性能や施工性に問題があり新しい防水材が求められている。
    今回、特殊なエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂がコンクリートの硬化養生過程を経てコンクリートと強固に接着することを突き止め、この樹脂からなる防水シートを開発した。
    このシートは予め土留め壁側に貼り付けておき、その上にコンクリート構造物を構築する。シートはコンクリートと強固に接着して界面の水走りを防ぐため、シートの支柱貫通部や接合部から地下水が浸入してきても、浸入箇所が構造物の亀裂等と一致しない限り、構造物内部への漏水を防ぐことができる。
  • 水野 克己, 皆瀬 慎, 本郷 隆夫, 福田 光治, 坪井 正行, 今泉 繁良
    2001 年16 巻 p. 203-208
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    寒冷地における積雪がおよぼす影響は,遮水シートの長期的な安定性を知る上で重要な課題である。本文ではこれらのデーターを入手するために,実規模の最終処分場法面部を想定した試験施設を構築し,不織布と遮水シート,および保護土と不織布と遮水シートを組み合わせた遮水構造を対象に,積雪時の遮水シートの変位を測定した結果を示す。また,高密度ポリエチレンシートとメタルセン触媒を用いた低密度ポリエチレンシートを用いて,外気温度の変化に対する遮水シートの変位を測定したのでここに報告する。
  • 阿部 裕, 土弘 道夫, 岩本 晃敏, 三宅 徹男, 西田 孝, 青野 孝保
    2001 年16 巻 p. 209-212
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    廃棄物最終処分場においては、しゃ水シートの破損が起こった場合に浸出水の漏出が生じ、地下水を汚染する危険性を秘めている。そこで破損が起こりにくいしゃ水シートや、万一漏水した場合その位置を電気的に検知するなど各種の漏水対策技術が開発されてきた。筆者らは、万一しゃ水シートに破損が起こり漏水が発生しても、電気的にモニタリングすることなく自動的に破損箇所を検知し、大掛かりな修復工事を必要とせずシート自体が修復する機能を持った自己修復性しゃ水シートの開発を行ってきた。本文では、前回までに当シンポジウムにて報告を行ってきた自己修復性しゃ水シートについての耐候性試験結果を報告すると共に、新たに経済性、施工性を考慮して開発した熱融着型自己修復性しゃ水シートの概要と止水性能評価試験結果を述べる。
  • 水野 克己, 皆瀬 慎, 本郷 隆夫, 福田 光治, 藤原 照幸, 嘉門 雅史
    2001 年16 巻 p. 213-220
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    三要素複合ライナーとは,遮水シートと高密度ポリエチレン支持型ジオシンセティック・クレイライナーとベントナイト混合土を組み合わせた遮水構造である。これは,浸出水が三要素複合ライナーを湿潤する過程で,ベントナイト混合土内の浸透・収着性を効果的に発揮させ,生態系に影響を与えない遮水効果を期待出来るようしている。本論文では,構成要素の一つであるジオシンセティック・クレイライナーの重ね合わせ継ぎ目部の透水試験と,ベントナイト混合土を用いて浸出水と人工海水による透水試験を行った。また,トラベルタイムにて三要素複合ライナーの遮水性評価を行った。
  • 嘉門 雅史, 福田 光治, 諏訪 靖二, 本郷 隆夫, 下野段 朋恵
    2001 年16 巻 p. 221-226
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    廃棄物処分場の遮水シートはさまざまな環境にさらされている。このため完全な遮水シート構造が目指されている。しかしながら,完全な遮水シートはありえず,欠陥が生じたときその影響を予め把握しておく必要がある。この場合遮水シートの構造から考えた時,もっとも基本となるのが単位面積あたりの遮水シートから漏水する現象である。Giround & Bonaparteは漏水量の推定式を提案しているが,この式には遮水シート層厚が含まれていない。このため本論文は漏水パターンとして1)ベルヌーイの定理の応用,2)FEM定常解析,3)平板モデル,4)半球モデルを取り上げ,相互比較により漏水特性を調べ,層厚の影響評価及び簡易推定式の提案を行っている。
  • 新井 斉, 丹野 忠幸, 熊谷 浩二
    2001 年16 巻 p. 227-230
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ジオメンブレンの破壊の要因は、設計、施工、維持管理の各段階において存在する。廃棄物最終処分場では、最近漏水検知システムの開発により、供用開始後の維持管理については、ジオメンブレンの破損の発見、補修が容易となった。しかしながら、ジオメンブレン溶着部の検査、保護層施工後のジオメンブレンの破損の有無の検査等、施工時における品質管理は未だ十分とは言えない。これより、漏水検知システムによって発見されたジオメンブレンの破損事例の解析から、ジオメンブレン敷設時における品質管理方法を開発した。
  • 直江 次男, 長束 勇, 藤本 直也, 宮田 哲郎, 森 充広, 渡嘉敷 勝
    2001 年16 巻 p. 231-238
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    屋根が設置されていない農業用貯水槽では,アオコの発生やゴミ・落ち葉の堆積が維持管理上の大きな問題となっている.これに対処するため,屋根の追加架設要求が増えているが,屋根架設耐荷構造になっていない貯水槽に新たに屋根を設けることには,貯水槽の構造や地盤の支持力などの制限があり,対策工を行う際の課題となっている.そこで,ジオメンブレンの柔軟性,低比重を利用し,貯水槽に新たな負荷をほとんどかけない,従来型に比べより安価な浮上式天蓋技術の開発を進めている.開発にあたっては,数タイプの浮上式天蓋構造について室内実験を行い,それらの技術的問題点を整理し,最適な構造タイプを選定し,さらに改良した。また,現地への適用性を確認するため,実際に供用されている貯水槽において実証実験も行った.本論は,これらの実験結果を報告するものである.
  • レシオモリナ J., 安原 一哉, 村上 哲
    2001 年16 巻 p. 239-246
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ジオシンセティックスで補強された砂の護岸の挙動を模型実験で調査した。造波水路にジオシンセティックスの護岸を造り、色々な種類の波を護岸に作用させた。模型実験で使用した土は豊浦砂で、緩い砂と締め固めた砂を使用し、護岸の垂直方向の変形の計測を行い、波が護岸に及ぼす影響を調査した。ジオシンセティックスは複合布の2種類を使用し、また、補強効果、波高の影響、変形の挙動と地盤の崩壊のメカニズムや基礎の影響などを調べて比較検討を行った。
  • 明永 卓也, 間 昭徳, 新谷 秀人
    2001 年16 巻 p. 247-250
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    近年、環境保全意識の高まりや河川法の改正に伴い、河川護岸改修において多自然型川づくりが各地で実施されている。ブロックマット工法は、覆土を行うことにより緑化が可能であり、多自然型河川護岸に適した工法である。「美しい山河を守る災害復旧基本方針」において、多自然型河川護岸復旧工法のひとつとして、流速4m/secまでの河川に適用可能と示されている。実際の適用においては、護岸ブロックの流れ安定性の照査を行った上で工法の検討を行うことが望ましい。ここでは、河川護岸改修において「滑動-群体」モデルや「めくれ」モデルを用いて流れ安定性の照査を行い、多自然型川づくりを実施した施工例を報告する。
  • 米澤 豊司, 青木 一二三, 堀井 克己, 舘山 勝, 小島 謙一
    2001 年16 巻 p. 251-258
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    寒冷地に施工する土留壁は、地山がロームなどの凍上性地山の場合は、土留壁の背面地山が凍結・融解などを起して、土留壁が大きく変状することがあるので、凍上対策の検討が重要である。
    本解析は、整備新幹線で採用した補強土留壁の断熱工法として、壁体背面に硬質ウレタンフォーム(ジオシンセティックスである高分子材料)の断熱材を使用した断熱効果を解析的に検討したものである。解析の対象は、現在長期計測を実施している土留壁とした。計測の内容は、土留壁の変形、各部の温度(外気、壁体、地中)、鉄筋補強材のひずみである。この土留壁に対するFEMによる温度解析を行い、実測挙動と比較することで熱定数のパラメータや解析方法の妥当性を検討するとともに、断熱工法の効果を明らかにした。
  • 菅野 剛, 高岸 正人, 今 広人, 石原 研而, 塚本 良道, 中澤 博志, 桝尾 孝之, 原 健二
    2001 年16 巻 p. 259-264
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    建設分野、特に土構造物建設において近年注目を集めているものに、ジオグリッド・発泡スチロール(EPS)を用いた補強土構造物がある。本研究では特に、ジオグリッドとEPSにより補強された地盤の土圧の低減メカニズムについて、大型模型土槽実験を用いて調べている。EPSの擁壁背後への埋設により静止土圧が低減されること、ジオグリッドの敷設により主働土圧が低減されることがわかった。またそのメカニズムについて、EPSの圧縮弾性変形量、ジオグリッドに発生する引張りひずみなどの観点から議論を加えている。
  • 田村 恵, 本郷 隆夫, 福田 光治, 長屋 淳一, 松山 裕幸
    2001 年16 巻 p. 265-270
    発行日: 2001/12/06
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    本論文では圧縮材を頭部に敷設した時のボックスカルバートを対象に提案してきた鉛直土圧係数簡易推定式の推定精度を文献データにより検証した結果を示している。また,埋設管のたわみ特性に着目し,flexibility factorを用いると埋設管に作用する鉛直土圧係数を近似的に推定する簡易式に拡張できることを示し,文献に示された土圧の計測結果に類似した結果が得られることを明らかにした。この簡易式はカルバート周辺のひずみや応力分布を単純化している。このためこの単純化による適用条件の制約が考えられるので,この単純化の程度を把握し,かつより複雑な構造や載荷条件を包含していく基礎的研究として,FEM解析による簡易式の立脚条件を検討した結果を示す。
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