抄録
透水性地盤に管理型廃棄物海面処分場を築造する場合、廃棄物護岸背面と処分場底面の全面に遮水工が必要となる。また、波浪や潮汐による揚圧力に対して遮水工の安定を確保する必要がある。本事例では、遮水工に2重の遮水シートを用いて、中間保護層と上部被覆層に押さえ荷重としての役割をもたせる構造とした。遮水工はそれぞれ「上側保護マット(長繊維不織布)・遮水シート(PVCシート)・下側保護マット(短繊維不織布)」から成り、敷設時の施工性・効率性を考慮し、接着により3層一体構造とした。遮水工の施工は、陸上ヤードによる広幅加工、法面部・底面部の一体化後に沈設・敷設する方法とした。本報告では、遮水工の設計・施工概要について述べる。