2025 年 66 巻 1 号 p. 219-226
本稿では,高等学校地学基礎で扱われる「地球の熱収支」における利用を目的として,生徒が個別に太陽放射量を測定できるように既存の教材を安価な材料で改良した。既存の簡易日射計などの教材は高価であり,学校現場で大量に揃えることが難しいため市販のハーバリウム用球形ガラス瓶(1つ約400円)を代替材料として採用した。墨汁を混ぜた水を瓶に入れ,太陽放射に当てて水温変化を測定し,そこから太陽放射量を推定する。冬季の晴天時に実施した測定では,過去の事例や気象庁の直達日射量データと同等の結果が得られ,本教材の妥当性が確認された。