抄録
兵庫県南部地震をはじめとするレベル2地震動に対し,橋台と橋台背面盛土を含めた橋台部全体系の耐震性能の向上が重要な課題となっている.現在,日本鉄道建設公団・鉄道総合技術研究所・東京大学では,共同研究として耐震性能を有する合理的な新しい形式の橋台の研究開発を実施している.その成果として,ジオテキスタイルで補強されたセメント改良補強土からなる橋台(以下「セメント改良補強土橋台」という)が提案された.今回,九州新幹線高田トンネル入り口付近に実際に構築したセメント改良補強土橋台について,レベル2地震動に対する耐震性能を確認することを主目的として,現地水平載荷試験を実施した.その結果,反力に用いた2連連結した橋脚に比べ,本橋台の変位量は半分程度と,大きな水平耐力を有していることが確認できた.また,橋台の変形モードは転倒モードであり,事前に設計・解析した変形モードと同じ結果であった.