脳神経外科ジャーナル
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舌下神経鞘腫の1例
宮森 正郎山野 清俊長谷川 健南出 尚人黒崎 正夫高柳 尹立
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1992 年 1 巻 3 号 p. 265-269

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抄録

舌下神経麻痺で発生し,頭蓋内,外および舌下神経管内に存在する舌下神経鞘腫の1例を報告した.頭蓋内舌下神経鞘腫は文献的には41例の報告があり,うち7例がdumbbell shapedの舌下神経鞘腫である.早期発見の重要性が強調されているが,舌下神経麻癖と舌下神経管の拡大が診断の決め手となる.また,MRIは腫瘍の局在や範囲を正確に把握でき,きわめて有用な検査法である.早期に診断されれば治療成績は良好で,全摘可能である.dumbbell shapedの舌下神経鞘腫の場合,手術に際して,頭蓋内腫瘍を全摘した後,硬膜外から舌下神経管を開放し,舌下神経管内の腫瘍も一期的に全摘すべきである.

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© 1992 日本脳神経外科コングレス
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