抄録
脳底動脈瘤を手術するうえで注目すべき脳血管写のポイントとその意義について述べ,問題のケースとその解決法を提示する.サブトラクションしないVAG側面像は斜台との関係を知り,手術法の選択に最も重要である.ICAの形はpterional approachでは重要で,短く外方偏位型では前床突起除去・ICAの遊離が視野を拡大させる.動脈瘤とPCAの密着度,視床穿通梗の位置はクリッピングの成否を左右する.本幹部動脈瘤では斜台上の位置が重要で,トルコ鞍広一内耳道の高さではtranspetrosal approachが有効で,錐体前半の削除とMeckel腔の開放が術野を展開する.