2001 年 10 巻 3 号 p. 185-189
stereotaxic needle biopsy後に, 広範な髄液腔内播種をきたした視床gliomaの1例について報告した.症例は18歳, 女性で, 1999年5月に視床部病変に対しstereotaxic biopsyを施行し, glioblastoma multiformeとの組織診断を得た.その後, 局所放射線照射と化学療法を行ったが, biopsyのtractを経由したと考えられる広範な髄液腔内播種を生じ, 同年10月に開頭腫瘍摘出術が必要となった.gliomaのstereotaxic biopsy後の髄液腔内播種は稀な合併症ではあるが, これを念頭においた注意深い経過観察が大切である.