脳ドックまたは外来受診者127例を対象にMRIおよび浜松式高次機能検査を行い, 高次機能に及ぼす無症候性病変の影響を検討した.重回帰分析の結果lacunar infarction・etat cribleは高次機能障害に影響を与えていなかったが, leukoaraiosis・脳萎縮は有意な危険因子であった.leukoaraiosisは主に細動脈硬化に由来する虚血性病変と考えられており, leukoaraiosisに伴う高次機能障害は広義には血管性痴呆に分類されるべきである.適切な治療により脳血流が維持されれば, 痴呆症状の改善あるいは進行の予防が期待される.