稀な頭蓋内内頸動脈の破裂紡錘状動脈瘤の1手術例を報告した.クモ膜下出血の原因として明らかな嚢状動脈瘤や解離性動脈瘤がみつからない場合は, 紡錘状動脈瘤が破裂した可能性を考慮すべきであり, 特に脳血管撮影でblebが認められる場合は, 同部から出血した可能性がきわめて高い.治療としては, 血管形成的なclippingが理想的であるが, 内頸動脈の紡錘状動脈瘤の場合は後交通動脈や前脈絡叢動脈との位置関係から不可能である可能性が高い.自験例では結果的に血管形成的でないbleb clippingに終わったが, 再破裂の危険性も高く, 血圧管理を含めた十分なfollow-upが必要であると考えている.