脳神経外科ジャーナル
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グリオーマの手術(手術手技・周術期管理)
佐藤 慎哉嘉山 孝正
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2002 年 11 巻 8 号 p. 521-529

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抄録
脳は他臓器と異なり,前頭葉や側頭葉の一部の腫瘍を除きsafety marginをとっての拡大摘出は術後の機能障害出現の可能性から困難であり,摘出はtumor bulkとよばれる腫瘍細胞密度の高い部分に限られるため,手術療法のみで治療が完結するわけではない.しかし,放射線・化学療法を併用してもなお生命予後を最も左右するのは手術による摘出度であり,たとえ病変がeloquent area近傍に存在する場合でも可及的全摘をめざす必要がある.本稿は,新たな機能障害を回避したうえで最大限の腫瘍摘出を行うための腫瘍摘出法,すなわち脳腫瘍の摘出に際してわれわれが行っているジャイレクトミー(gyrectomy)法を中心に,新しいコンセプトによるグリオーマの手術方法について報告する.
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© 2002 日本脳神経外科コングレス

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