脳神経外科ジャーナル
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頭部外傷受傷の4年後に生じた遅発性encephaloceleの1例
嶋田 淳一武田 信昭千葉 伸太郎平井 周
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2003 年 12 巻 5 号 p. 378-382

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抄録
頭部外傷の後4年を経てencephaloceleを呈した症例を経験した.症例は意識消失発作を生じて搬入された22歳の男性である.4年前に交通事故による頭部外傷で脳実質外の気脳症を生じた既往がある.入院時の画像診断では,前頭洞後壁の骨欠損部から脳が脱出し,その直上の脳実質内に気脳症を伴っていた.手術にて脱出脳を切除し,前頭蓋底を修復した.当該症例で広範な骨・硬膜欠損を生じた機序は, leptomeningeal cyst による拍動性の圧迫と副鼻腔の炎症の双方が関与したと考えられた.気脳症を伴うような頭部外傷は,しばしば遭遇する.まれではあるが,その遅発性合併症として当該症例のような例もあるので注意を要する.
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© 2003 日本脳神経外科コングレス

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