抄録
先天性水頭症は,画像診断や出生前診断の発達により脳神経外科医が診療に携わる機会が増加しているため,それぞれの疾患の治療の原則と予後因子についてを述べた. evidence based medicine(EBM)の考えでは,このような医学的根拠を重視し,できるだけ標準的な治療を目指すが,現実では両親は児の受け入れを拒絶する態度になりやすく,結果的に児に不利が及ぶ.最近EBMを補うようにnarrative based medicine (NBM)という考えが提唱され,カウンセリングの手法がこれにあたる.脳神経外科医がこの両者の考えをもてば,患児や両親,家族に,より満足できる医療を提供できると思われる.