脳神経外科ジャーナル
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聴神経鞘腫に対する治療 : ガンマナイフと手術の適応とその治療成績
岩井 謙育山中 一浩鵜山 太一森川 俊枝本田 雄二松阪 康弘小宮山 雅樹安井 敏裕
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2004 年 13 巻 7 号 p. 508-514

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抄録
聴神経鞘腫瘍に対するradiosurgery導入後の治療成績を検討した.我々の施設では,腫瘍最大径が3cm未満の場合にはガンマナイフ治療を行い,3cm以上の病変については,腫瘍を亜全摘の値にガンマナイフ治療を行う方針で治療を行ってきた.ガンマナイフ治療群では,平均54カ月の経過観察において,96.4%の臨床的腫瘍増大抑制が可能であり,新たな顔面神経麻痺の出現例はなかった.また,聴力の温存は70.8%において可能であった.手術摘出後にガンマナイフ治療を行った群においては,1例に滑車神経麻痺をきたした以外には合併症は認めなかった.また,術直後より70.6%において顔面神経機能の温存(House-Brackmann grade I-II)が可能であった.また,ガンマナイフ治療後,平均39.9カ月の経過観察において,94.1%の臨床的腫瘍増大抑制が可能であった.聴神経鞘腫に対して,ガンマナイフ,手術の有用性を生かした治療を行うことにより,より高い機能温存とquality of lifeの維持,改善が得られると考えられた.
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© 2004 日本脳神経外科コングレス

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