抄録
多工程持ちシステムの導入による椅座位作業から立位作業へ変更後, 14週間にわたり, 産業疲労研究会「自覚症状調べ」により調査を行った.その結果, 作業姿勢の変更直後は, 自覚疲労の訴えは増加するが, 速やかに減少し, ほぼ7週から10週の間で自覚疲労の訴えは過去の調査に比較しても低位となる.また, 日内変化率, 週内変化率からは, 疲労の蓄積は作業姿勢変更の当初は多いものの, それ以外は少ない.この結果を, 姿勢変更前に作業者に提示することによって, 作業姿勢変更に対する懸念が取り除かれ, 多工程持ちシステム導入を容易にすることができると考えられる.