脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
ガンマナイフ治療6年後に腫瘍内出血をきたした聴神経腫瘍の1手術例
三崎 俊斉荒井 啓史佐々木 輝夫小林 正和奥口 卓小笠原 邦昭小川 彰
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 14 巻 10 号 p. 641-645

詳細
抄録

ガンマナイフ施行6年後に症候性腫瘍内出血をきたした聴神経鞘腫の1例を経験した.症例は72歳女性.右聴神経鞘腫の診断を受け, ガンマナイフを施行.6年後に症候性腫瘍内出血を認めたため腫瘍摘出術を施行.病理所見では, 硝子化に陥った血管内皮が広範に認められた.文献上, 症候性腫瘍内出血を示す神経鞘腫は比較的稀である.本症例では, 神経鞘腫における症候性の自然出血例での組織学的特徴と異なり, 血管の硝子性肥厚が特徴として挙げられた.本症例においてガンマナイフの影響による血管内皮の硝子性肥厚が症候性出血に関係した可能性を否定できなかったため, 放射線照射と症候性腫瘍内出血との因果関係について文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 2005 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top