抄録
症例は16歳, 男性.13歳時に松果体部germinomaによる閉塞性水頭症に対し, 内視鏡下第三脳室開窓術を行い, 術後化学療法を2クール, さらに残存腫瘍に対してリニアックナイフを施行した.その後外来にて経過観察していたが, MRI上再発所見はなかった.3年後に目がぼやける感じを自覚し, 頭痛, 視力障害が増悪してきた.神経学的にうっ血乳頭を認め, MRI上, 脳室拡大, infundibular recessの鈍化, 第三脳室のflow-voidの消失があり, 第三脳室開窓部の閉塞と診断した.内視鏡下第三脳室開窓術を再施行し, 頭痛, 視力障害の改善を認めた.文献的考察を加え, 報告する.