NBCAを用いた塞栓術後に再発した脊髄動静脈瘻を経験した.症例は37歳の男性で, 5年前に多発性脊髄動静脈瘻の診断で, 他院にてL_<1/2>レベルの病変に対してはNBCAを用いた塞栓術を, S_2レベルの病変に対しては塞栓術後に観血的手術を施行された.術後の血管撮影では完治と考えられ, 症状も軽快していたが, 腰痛と胸部絞扼感で再発した.手術では馬尾神経の間に存在する血管塊を認め, 一部はNBCAや血栓で閉塞していた.導入動脈を同定・切断し, 血管塊を一塊として摘出した.術中microdoppler monitoringやDSAが非常に有用であった.また, 塞栓術で完治したと思われても再発することを念頭に置き, 注意深い経過観察が必要と考えられた.