脳神経外科ジャーナル
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椎骨動脈圧迫による顔面痙攣 : 病因論と手術法(第24回日本脳神経外科コングレス「神経血管減圧術 : 困難例に対する手技)
藤巻 高光孫 宰賢土屋 喜照平田 雅文村上 秀喜石井 映幸永島 博望月 俊宏成田 孝而高木 清田村 晃桐野 高明中込 忠好
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2005 年 14 巻 2 号 p. 78-83

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抄録
神経血管減圧術を行った自験199例の顔面痙攣例のうち,椎骨動脈圧迫45例(22.6%)の病態を解析,手術手技について解説する.椎骨動脈圧迫は右側例の9.2%,左側例の32.4%.女性例の17.1%,男性例の30.5%であった.発症年齢45歳未満では20.6%,46歳以上では24.5%.高血圧合併例では22.7%,なしでは21.9%の割合であった.以上より椎骨動脈圧迫例は左側で,男性に多いが,動脈硬化のない非高血圧,若年症例にも生じうる.減圧操作は聴性誘発脳幹電位モニター下に血管を移動させる.顔面神経を圧迫する椎骨動脈(および分枝)をテフロン^<〔○!R〕>テープとテフロン^<〔○!R〕>ボールを用いて神経から移動し減圧する.時に椎骨動脈を錐体骨硬膜にglueで接着.椎骨脳底動脈の分枝を障害しないことが重要である.顔面神経,聴神経,外転神経,下部脳神経への愛護的な丁寧な手術操作が必要である.
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© 2005 日本脳神経外科コングレス

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