脳神経外科ジャーナル
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再発および未治癒三叉神経痛に対する外科治療(第24回日本脳神経外科コングレス「神経血管減圧術 : 困難例に対する手技)
石川 正恒山添 直博青木 友和松浦 伸樹大脇 久敬礒野 直史野島 邦治河原崎 知
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2005 年 14 巻 2 号 p. 99-103

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抄録

三叉神経痛に対する神経血管減圧術の有用性は確立されているが,稀に未治癒例や再発例もある.われわれは,これらの例についても積極的に再手術を行ってきた.初回手術で86%,未治癒再手術で92.9%,再発再手術では83.3%で痛みの消失を認めた.圧迫血管を認めない例は未治癒例50%,再発例83%で,全例にクモ膜の肥厚や癒着による神経根の変形あるいは軸偏位・捻転を認めた.Suprameatal processが大きい場合は,骨削除を行った.クモ膜の肥厚や癒着によって神経根にかかる緊張の増大が痛みを惹起すると考えられ,この緊張を解除(untethering)することが未治癒例・再発例の再手術に際しては,特に重要と考えられた.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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