脳神経外科ジャーナル
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再生医学からみたパーキンソン病
伊達 勲
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2005 年 14 巻 5 号 p. 302-309

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抄録

古くから中枢神経系はいったん損傷を受けると再生しないといわれてきたが, 神経科学の分野の研究の発達により, その概念が変わりつつある.脳や脊髄の保護あるいは修復を目的として, 細胞移植, 遺伝子導入, 神経栄養因子の注入などが行われるようになっている.これらの手法は, パーキンソン病, 脳虚血, 脊髄損傷などの神経疾患に対する治療となりうる期待がもたれている.パーキンソン病は黒質線条体系のドパミンニューロンが失われていく進行性の神経変性疾患である.胎児細胞, クロム親和細胞, 細胞株, 遺伝子, 神経幹細胞, ES細胞, 骨髓細胞などがドナー細胞あるいはベクターとしてパーキンソン病の治療目的に研究されてきた.この総説では, パーキンソン病に対する神経移植の流れをまとめ, それぞれのドナー細胞の特徴と今後の展望を考察する.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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