脳神経外科ジャーナル
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脳神経外科手術時の洗浄・灌流液の調査, 検討
塩原 隆造大平 貴之小野塚 聰河瀬 斌
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2005 年 14 巻 5 号 p. 323-330

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抄録

脳神経外科施設における洗浄・灌流液の使用実態と安全性を調査した.クモ膜下出血に対する脳槽灌流療法では, 人工髄液「院内製剤の人工髄液(メイロン^[○!R]でpHを調整したものも人工髄液に含む)」のみが使用され, 27例中7例の軽度副作用は脳槽灌流療法自体または原疾患に起因する可能性も考えられた.神経内視鏡手術では人工髄液と乳酸リンゲル液が使用され, 副作用は乳酸リンゲル液で16例中3例に, 人工髄液使用ではなかった.脳神経外科手術では術中洗浄液として生理食塩液, 乳酸リンゲル液および人工髄液が使用されていたが副作用出現はなかった.組成, 浸透圧が髄液に近似した人工髄液が最も生理的であり, 安全性が高いと考えられた.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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