脳神経外科領域の術後髄膜炎は, 起因菌の70%以上をcoagulase-negative staphylococcus (CNS)やmethicillin-resistant staphylococcus aureus(MRSA)などが占め, 他部門では表皮ブドウ球菌とともに肺炎球菌やインフルエンザ桿菌が大部分を占めていた.また術後髄膜炎としてのCNS感染症ではgentamycin(GM)耐性CNSが40%以上を占め, 唯一すべてのCNSに耐性を持たない薬剤はvancomycin(VCM)やarbekacin(ABK)などの抗MRSA薬であった.脳神経外科領域でのSSIとしての術後髄膜炎ではVCMの髄腔内投与が第一選択として考慮されるべきと考えられた.