脳神経外科ジャーナル
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第4-5頸椎レベルに椎骨動静脈瘻を形成したneurofibromatosis type-1の1例
佐藤 光久保 道也桑山 直也栗本 昌紀平島 豊遠藤 俊郎
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2005 年 14 巻 9 号 p. 581-586

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抄録

Neurofibromatosis 1型に合併した椎骨動静脈瘻の症例を経験した.左椎骨動脈(C_<4-5>レベル)に紡錘状動脈瘤を認め, 同部にhigh flowの動静脈瘻を形成していた.内椎骨静脈叢に流出して大きなvenous sacを形成し, この圧迫によるBrown-Sequard症候群を呈していた.経動脈的にアプローチし, detachable coilを用いて動脈瘤を含めた塞栓術を行い, 動静脈シャントは完全に消失し, 症状は速やかに改善した.本疾患の好発部位はC_<1-2>, 次いでC_<5-6>である.本症例は頸椎の骨形成異常を合併しており, C_<4-5>が異常な後湾の最大屈曲点となっているために, 前後屈運動による機械的ストレスが頸椎C_<4-5>に最も強くかかると考えられた.その結果として, 同部に動脈瘤が形成され, その破裂に伴って動静脈瘻が形成されたものと推察された.また, 動脈瘤破裂による椎骨動静脈瘻に対しては, 動脈瘤を残存させない動静脈瘻治療という観点から, 動脈瘤を含めた椎骨動脈塞栓術が有効な手段の1つと考えられた.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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