脳神経外科ジャーナル
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ES細胞移植によるパーキンソン病治療
高橋 淳
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2006 年 15 巻 1 号 p. 19-26

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抄録
神経機能再生の1つの方法として細胞移植が挙げられる.従来, パーキンソン病に対して胎児中脳黒質細胞移植が行われてきたが, 広く普及するには至っていない.新たな候補として神経幹細胞や胚性幹細胞(ES細胞)に期待が寄せられている.ヒト胎児由来神経幹細胞からドーパミン産生神経の誘導は可能であるが, 細胞の増殖能や分化効率が悪いためパーキンソン病治療には使いにくい.ES細胞は, より未分化な細胞なので増殖能や分化能に優れており, 霊長類モデルを用いた移植実験においても, 移植ES細胞が脳内でドーパミン産生神経として機能することが明らかとなった.ただし, 腫瘍化の問題があり, 今後のさらなる研究が必要である.
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© 2006 日本脳神経外科コングレス

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