脳神経外科ジャーナル
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破裂脳動脈瘤における開頭手術・血管内手術の分担と協働 : Clipping-first施設の現状
清水 宏明冨永 悌二松本 康史江面 正幸高橋 明
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2006 年 15 巻 8 号 p. 549-555

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抄録

脳動脈瘤に対する血管内手術と開頭クリッピング術との役割分担と協働に関し,最近5年間のクモ膜下出血573例を検討した.治療方針はクリッピングを第一選択としたが,脳底動脈先端部,椎骨脳底動脈解離,内頸動脈cave動脈瘤,高齢,全身状態不良例などは血管内手術とした.退院時自立は全例中52.5%,開頭クリッピング術群で85.4%,血管内瘤内塞栓術群で71.4%であった.術前閉塞試験,術中血管撮影.suction decompression,バイパス術+親動脈閉塞術,多発瘤などにおいて協働が有効であった.クモ膜下出血全体の治療成績向上には,開頭および血管内手術おのおのの技術に加え,両者の協働においても発展が望まれる.

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© 2006 日本脳神経外科コングレス
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