脳神経外科ジャーナル
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顔面痙攣に対するcyanoacrylateを用いた微小血管減圧術後に椎骨動脈瘤破裂をきたした1例
工藤 琢巳飯原 弘二綾部 純一林 克彦村尾 健一宮本 享
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2006 年 15 巻 8 号 p. 584-588

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抄録

顔面痙攣に対する微小血管減圧術(MVD)後に椎骨動脈瘤破裂をきたした症例を経験した.39歳,女性.2年前に慢性糸球体腎炎に対し血液透析を導入した.左顔面痙攣に対し,他院にてMVDを施行.Aron Alpha^[○!R]を用いて.椎骨動脈を硬膜にtranspositionした.その1年後,左椎骨動脈瘤が新生し,血液透析後にクモ膜下出血(SAH)をきたし,母血管閉塞術を施行した.Aron Alpha^[○!R]は血管毒性についての報告がなされており,MVD後のSAHを避けるため,術中可能な限りAron Alpha^[○!R]は使用せず,術後もMRAなどによる経過観察が必要であると考えられる.

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© 2006 日本脳神経外科コングレス
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