2007 年 16 巻 1 号 p. 57-62
症例は24歳,女性.頭痛を主訴に受診した.既往歴に特記すべきことなし.頭部MRIで小脳虫部に不均一に造影される3.0×2.5×3.0cm大の腫瘍性病変を認めた.グリオーマの術前診断で後頭下開頭にて腫瘍摘出術を施行,腫瘍は比較的境界明瞭で肉眼的全摘出を行った.病理組織はPXAと診断した.術後,神経脱落症状なく退院し,外来にて経過観察中である.テント上PXAはてんかんで発症し皮質表面に病変を有する症例が多いが,小脳PXAは,自験例を加え過去12例の検討から,頭痛で発症し深部に病変を有する症例が多く存在し,さらに神経細胞性分化を持つ傾向がうかがわれた.