脳神経外科ジャーナル
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腰部脊柱管狭窄症における歩行誘発性勃起の発現機序に関する一考察
安藤 直人花北 順哉高橋 敏行深尾 繁治北浜 義博南 学
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2007 年 16 巻 11 号 p. 852-857

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抄録
当センターにて約3年半の期間に外科的治療を行った腰部脊柱管狭窄症男性症例206例中4例で勃起症状がみられた.4症例とも歩行に伴う勃起であり,馬尾型の症状を呈し,陰部のシビレを伴うことが特徴的と思われた.腰部脊柱管狭窄症では,歩行時には静脈還流障害に伴い馬尾神経が阻血状態となり,感覚入力系神経に異常な興奮性を生じ,それがシビレなどの過剰な症状を惹起しながら,仙髄勃起中枢に興奮性の入力となりうると推測される.したがって,腰部脊柱管狭窄症での歩行誘発性勃起は,synapticな反射性勃起とする仮説が有力であると考察した.
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© 2007 日本脳神経外科コングレス

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