脳神経外科ジャーナル
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第四脳室拡大を伴わないChiari I型奇形合併交通性水頭症の1例
佐藤 雄一和田 司冨塚 信彦幸治 孝裕小笠原 邦昭小川 彰
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2007 年 16 巻 5 号 p. 417-421

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抄録

Chiari I型奇形に合併したtriventricular hydrocephalusの1例を経験した.本例に対する神経内視鏡的第三脳室底開窓術(ETV)の適応を検討するため髄液循環を評価した.症例は,歩行障害が主訴の60歳男性.MRIで第四脳室拡大を伴わない側脳室・第三脳室の拡大とChiari I型奇形を認めた.ETV施行も無効と予想され,脳室腹腔短絡術を追加した.術後,脳室は縮小し,歩行障害は改善した。Chiari I型奇形に合併した交通性水頭症では,第四脳室の拡大を伴わず脳室系の閉塞を疑わせることがある。Chiari奇形を伴うtriventricular hydrocephalusでETVを考慮する際,髄液循環の詳細な検討が必要である.

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© 2007 日本脳神経外科コングレス
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