脳神経外科ジャーナル
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頸椎症に対する前方アプローチ : 現時点でのスタンダード(<特集>頸椎)
飛騨 一利矢野 俊介関 俊隆岩崎 喜信
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2007 年 16 巻 8 号 p. 604-610

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抄録
頸部脊椎症は,加齢による脊椎,椎間板の退行変性に基づく疾患であり,椎間板の変性から始まり,亜脱臼,骨棘形成,後縦靭帯・黄色靭帯の肥厚により,脊髄および神経根が動的,静的に圧迫され生ずる疾患であるが,近年,高齢者の増加とともに頸部脊椎症の患者を治療する機会が増えている.また患者の訴える内容も,以前であれば歩行障害まで進行してから受診したのに対し,最近では上肢のしびれ,痛みでも,その原因の解明と治療を求めて来院するようになってきている.頸部脊椎症の外科治療においては,前方到達法と後方除圧の2つの選択肢があるが,前者は脊髄・神経根への圧迫を確実に除くことが可能であり,頸椎のalignmentを改善でき,侵襲が少なく,治療効果の切れ味という点で優れている.頸部脊椎症に対する前方アプローチによる手術手技は,Cloward法,Smith-Robinson法から始まって,現在までにさまざまな手技が行われてきたが,われわれが現在最もよく施行しているチタン製ケージを使用したSmith-Robinson法について,その手技およびpitfallについて述べる.
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© 2007 日本脳神経外科コングレス

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