脳神経外科ジャーナル
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機能MRI/MEGを用いた術前言語機能局在診断(<特集>脳神経外科手術のモニタリング)
鎌田 恭輔太田 貴裕川合 謙介藤堂 具紀川原 信隆森田 明夫斉藤 延人
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2008 年 17 巻 1 号 p. 4-12

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抄録
非侵襲的脳機能マッピング法としては,機能MRI(fMRI),脳磁図(MEG)などが挙げられる.この両者を融合することで,言語優位半球の同定を行った.言語機能画像の課題は,語想起,文字読み課題とした.fMRIでは前頭葉のブローカ領を,MEGでは側頭葉後半部のウェルニッケ領の言語機能を局在できた.fMRIとMEGによる言語機能の画像化の成功率は90%と82%であったが,両者を併用することで95%に達した.また,fMRIとMEGの所見が一致した症例では,Wada testで同定した言語優位半球の結果と100%一致した.fMRIは脳血管性反応性が障害される症例(脳浮腫を伴う脳腫瘍,脳動静脈奇形など)には不適であった.一方,MEGは,脳組織状態よりは患者の脳機能低下(精神発達遅滞,痴呆,失語)により,検査の成功率が低下していた.fMRIとMEGを融合することで術前に患者個々の言語機能局在を把握することが可能となった.
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© 2008 日本脳神経外科コングレス

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