脳神経外科ジャーナル
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Petroclival Region Tumorの手術と静脈(<特集>頭蓋底静脈の基礎と臨床(2):錐体斜台部)
松島 俊夫増岡 淳河島 雅到井上 浩平峯田 寿裕
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2008 年 17 巻 10 号 p. 761-772

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抄録
Petroclival region tumorは正中深部に存在し,しかも腫瘍によっては小脳テント上下に存在するため,到達困難で手術が最も難しい腫瘍の一つである.われわれはこの部の腫瘍に対して症例により後方経錐体法と外側後頭下開頭法を使い分けてきた.Petroclival region tumorへの外側後頭下開頭法は,infratentorial lateral supracerebellar approachで,必要があれば小脳テントを切開しtranstentorial approachを下方より追加することができる.このアプローチにおいて障害物の一つはsuperior petrosal vein (SPV)である.後方経錐体法の場合,SPVはそれほど問題とならないが,vein of Labbe,側頭葉下面の架橋静脈,テント切痕部への架橋静脈,テント静脈洞などが障害物となる.本稿ではinfratentorial lateral supracerebellar transtentorial approachならびに後方経錐体法の基本的手術手技と小脳テント切痕部近傍の深部静脈の解剖について解説した.
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© 2008 日本脳神経外科コングレス

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