脳神経外科ジャーナル
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前頭前野に病変を有する脳腫瘍患者の遂行機能障害評価 : BADS (Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome)得点の有用性
原田 薫雄横田 晃西村 茂恩田 純高柿 尚始高安 武志神原 淳
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2008 年 17 巻 5 号 p. 386-392

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抄録
前頭前野に病変を有する脳腫瘍患者14例の遂行機能障害について,病変部位別に眼窩部障害群(O群),内側障害群(M群),背外側障害群(DL群)に分け,BADS得点を用いた評価を行い,従来の評価法と比較検討した.BADS総得点は臨床症状の改善に伴い上昇する傾向がみられ,遂行機能障害の評価として有用であった.特にBADS下位検査のうち,鍵探し検査,時間判断検査,修正6要素検査が高い改善率を示した.内側障害群においては,FAB,ハノイの塔による評価と相関した.前頭前野障害に伴う遂行機能障害患者では,知能検査や記憶検査のような構造化された評価では正常のことが多く,日常の生活問題の把握と検査の反応過程の分析を詳細に行うことが重要である。
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© 2008 日本脳神経外科コングレス

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