脳神経外科ジャーナル
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頭蓋内動脈狭窄症に関する多施設共同試験(<特集>頭蓋内動脈狭窄症)
内山 真一郎
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2009 年 18 巻 7 号 p. 488-493

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抄録

症候性頭蓋内動脈狭窄患者において,ワルファリンはアスピリンに比べて死亡や出血のリスクが大きく,安全性に問題があるので推奨できず,アスピリンはワルファリンより安全であるが,脳卒中予防効果が不十分である.アスピリンとシロスタゾールの併用は,アスピリン単独に比べて狭窄進展阻止効果に優れていると報告されたが,脳卒中予防効果は不明である.日本で,アスピリン・シロスタゾール併用療法とアスピリン単独療法の狭窄進展阻止効果と虚血性・出血性イベントに及ぼす効果を検討する臨床試験(CATHARSIS)が進行中である.CATHARSISは,best medical treatmentの確立と将来の血管内治療との比較試験に有力な情報を提供する多施設共同研究として期待されている.

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© 2009 日本脳神経外科コングレス
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