急性期脳梗塞患者への抗血栓療法として,アスピリンの使用が強く勧められる.わが国のガイドラインでは,国産薬であるオザグレルナトリウムやアルガトロバンも勧められている.その一方で,臨床の場でよく用いられるヘパリンの有用性は確立していない.慢性期の非心原性脳梗塞患者への再発予防には,抗凝固薬でなく抗血小板療法が勧められる.具体的な推奨薬は各国のガイドラインで少しずつ異なるが,わが国で現在使用可能な薬剤の中では,アスピリン,クロピドグレル,シロスタゾールが再発予防薬として優れている.アスピリンとクロピドグレルの併用は,ルーチンには勧められない.日本人の抗血栓療法に伴う出血事故の実態を調べた研究として,BAT研究が報告されている.
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