脳梗塞に対するgadolinium増強MRI,T_1強調画像所見をパターン分類し,その経時的変化を検討した.対象は本院に入院し脳梗塞と診断された33例で,計91回のGd-MRIが撮影された.発症からの日数とGd増強効果の関係は皮質領域では良好な曲線回帰を示し,2週前後にピークを示し,増強効果は長く継続した.穿通枝領域では皮質領域より早期から増強効果の低下がみられ,増強程度に個体差が大きかった.T_2 強調画像では梗塞巣と周囲の浮腫の区別は困難であるが,Gd増強T_1像はより正確に梗塞の範囲を示した.多くの梗塞巣がT2延長を示したが,T_2像にて検出されにくい梗塞巣もあり,これにはGd増強T_1像が有用であった.Gdは多発病巣のうち1病巣のみを増強し,責任病巣の同定に有用であった.増強MRIは増強CTよりあらゆる脳梗塞に対して高い有用性を示した.