脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
家族性多発性嚢胞腎症に脳動脈瘤を合併した1症例の検討
橋本 直哉藤本 正人山本 和明榊原 毅彦山木 垂水
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1993 年 2 巻 1 号 p. 66-69

詳細
抄録
多発性嚢胞腎症(polycystic kidney disease,以下PKD)は家族性に発症し,脳動脈瘤や脳内出血を合併することで知られる.われわれは破裂脳動脈瘤に家族性のPKDを合併し,動脈瘤術後に脳内出皿をきたした症例を経験し,その家族についてPKDの有無を検索した.PKDと診断された実子にMR angiographyによる脳動脈瘤の検索を行ったが異常は認められなかった.PKD患者において,脳動脈瘤の合併はその患者の生命予後に大きく関与するため,できるかぎりの検索が重要であることを強調する.また,脳動脈瘤,脳内出血患者におけるPKD合併の可能性,PKD患者の手術に際して脳血管の先天的脆弱性を考慮すべきである.
著者関連情報
© 1993 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top