脳神経外科ジャーナル
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くも膜下出血患者における髄液中血小板由来増殖因子の検討
本間 温喜田 智幸猪股 園江蓮井 光一入江 恵子長尾 省吾
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1993 年 2 巻 3 号 p. 192-197

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抄録
破裂脳動脈瘤13例の髄液ドレナージ(脳槽7例,脳室6例)より採取した髄液の血小板由来増殖因子(PDGF)濃度を経時的に測定した.髄液が高度血性を呈した10例(77%)ではday3以内でPDGF値の上昇(160〜3,700pg/ml,RlA 法)を示した.これらは血腫中の血小板より遊離されたと考えられ,他の頭蓋内疾患6例では測定閾値(100pg/m1)以下であった.PDGFはくも膜下出血後に動脈壁に生じる増殖型血管症(proliferative angiopathy)の惹起物質として報告されているが,出血早期には外膜側から脳血管壁に作用し得ることが示された.その生物活性を阻止するためには発症早期より何らかの対策を講じる必要があると考えられる.
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© 1993 日本脳神経外科コングレス

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