放射線治療を中心とする初回治療を行った14例の中枢神経系原発悪性リンパ腫の臨床的検討を行った.CT上contrast enhancementを示す病変は,初回治療中の死亡1例を除く全例において完全消失を示したが,画像上の改善と臨床症状の改善は必ずしも一致せず,痴呆症状の改善は不良であった.Follow up中における死亡9例のうら,CEを示す腫瘤の再発,増大によると考えられる死亡は2例のみであり,その他の症例はCT上脳室拡大,大脳深部白質に広範な抵吸収域を示し,痴呆症状から徐々に全身衰弱をきたし死亡に至るという経過をとった.治療経過申に出現するこの広範な低吸収域の本態の解明が治療成績の向上のうえで重要な課題と考えられた.