脳神経外科ジャーナル
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異なる視点からみた脳動静脈奇形の疾患概念(<特集>脳脊髄動静脈奇形の診断・治療の進歩)
小宮山 雅樹
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2011 年 20 巻 1 号 p. 4-11

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抄録

脳動静脈奇形(AVM)は,長い間,「先天性血管奇形」と考えられ,それは生下時にすでに存在し,その後,若年期に症候性になることを意味し,その形態を大きく変えないstaticな疾患と考えられてきた.本稿では,AVMのさまざまな臨床的な側面を紹介し,過去の疾患概念と少し異なる見地から,この疾患の動的な側面を明らかにしたい.de novo AVM,growing AVM,developmental venous anomaly with AV shunts,cerebral proliferative angiopathyに加え,体節性のAVMや脳および全身の症候群(hereditary hemorrhagic telangiectasiaやcapillary malformation-AVM)に関連するAVMも紹介する.これらの知識は,AVMの診断や治療に有用であるのみならず,その成因についての多くの示唆を与える.一見,同じ血管構築のAVMでも,その原因となる疾患は異なり,それぞれのAVMの形成過程,自然経過,治療方法が異なる可能性がある.

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© 2011 日本脳神経外科コングレス
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