脳神経外科ジャーナル
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わが国における硬膜動静脈瘻の治療の現状(<特集>脳脊髄動静脈奇形の診断・治療の進歩)
桑山 直也久保 道也遠藤 俊郎坂井 信幸
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2011 年 20 巻 1 号 p. 12-19

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抄録
硬膜動静脈瘻の治療の現状を知るため,全国の脳血管内治療専門医を対象とする調査を実施した.【方法】日本脳神経血管内治療学会専門医388人を対象とし,2005〜2006年の2年間に経験した症例の年齢/性,部位,症状,mRS,治療法,転帰,合併症を調査した.【結果】863症例の回答を得た.男性43%,女性54%,平均年齢は64歳であった.海綿静脈洞(CS)が46%,横・S状静脈洞(TSS)27%,その他27%であった.814例に積極的治療(血管内88%,外科7%,放射線4%)が施行された.治療後(ほぼ)完全閉塞が83%であった.mRSは1.4から0.6に改善した.治療合併症が4%に出た.【まとめ】CS,TSSの成績は良好であった.前頭蓋底,頭蓋脊椎移行部では安易な血管内治療が行われている可能性があり,外科治療を再評価すべきと思われた.
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© 2011 日本脳神経外科コングレス

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