2011 年 20 巻 1 号 p. 20-28
脊髄動静脈奇形ではAV shuntの局在部位から,dural AVF,epidural AVF,perimedullary AVF,そしてintramedullary AVMと分類し,治療方針を立てるのが実用的である.治療としては,dural AVF,epidural AVFについてはNBCAを主体とした塞栓術を第一選択とし,perimedullary AVFについてはType1,Type2では観血的手術を第一選択とし,Type3ではコイルあるいはNBCAを使用した塞栓術を用いている.またintramedullary AVMではPVA顆粒を用いた塞栓術が主であったが,近年サイズの小さなAVMでは定位放射線照射なども試みている.手術においては,術中DSA,indigocarmine動注,術中ICG(indocyanine green)動注による画像診断,さらにMEPの活用など集学的治療が必要であり,放射線科との密接な連携が必要といえる.