脳神経外科ジャーナル
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小児脳死下臓器提供の課題と問題点(<特集>小児脳神経外科における諸問題)
横田 裕行
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2011 年 20 巻 11 号 p. 818-821

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抄録

改正臓器移植法が2010年7月に施行された.今回,われわれは改正臓器移植法に基づいた臓器提供システム,特に小児からの臓器提供の問題点について検討した.臓器提供施設では虐待有無の確認や低血圧,低体温などの除外項目で,小児と成人の相違点について確認しておく必要がある.また,小児からの脳死下臓器提供時に発生する臓器提供施設への負担を検討した.臓器提供時には多くの時間と多くの人材を必要としているが,脳死とされうる状態の判断(いわゆる臨床的脳死診断)から臓器摘出術終了まで45時間以上を必要としている.このような多大な負担を軽減するために,臓器提供施設や臓器提供家族には適切な支援システムを構築する必要がある.本邦における脳死下臓器提供は,法律やガイドラインなどにより手順が厳格に決められている.法律やガイドラインの中で,適切な支援システムの枠組みを早急に構築する必要があると考える.

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© 2011 日本脳神経外科コングレス
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