脳神経外科ジャーナル
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診断困難であった成人型毛様細胞性星細胞腫の1例
細野 純仁丸山 隆志田中 雅彦村垣 善浩小森 隆司澤田 達男Chernov Mikhail岡田 芳和
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2011 年 20 巻 11 号 p. 841-846

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抄録

毛様細胞性星細胞腫は主に若年者に発生し,WHO分類でgrade Iに分類される比較的良性の腫瘍である.しかし成人発症の一部には予後不良な症例や非典型的な病理像を示す例があるとされ,同様の症例を報告する.症例は27歳女性.痙攣発作にて発症し,MRIのT2強調画像で左側頭葉上部に低信号のrimをもつ病変を認めた.摘出組織の病理所見は,密と粗な二相性の細胞密度と好酸性顆粒を示す毛様細胞性星細胞腫の特徴を示したが,一部に他の腫瘍を疑わせる所見を認め診断に苦慮した.IDH-1染色が診断に有用で,非典型的毛様細胞性星細胞腫と診断した.臨床像,画像所見,組織学的所見を含め報告する.

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© 2011 日本脳神経外科コングレス
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