脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
神経症候を伴う骨粗鬆症性椎体圧潰に対する一期的な後方除圧と経皮的椎体形成術
田中 秀一川西 昌浩加茂 正嗣西原 賢太郎山田 誠横山 邦夫伊藤 裕
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 20 巻 3 号 p. 200-206

詳細
抄録

骨粗鬆症性椎体圧迫骨折では,圧潰椎体の後壁が脊柱管内に突出して脊柱管狭窄をきたし,腰痛に加えて神経症状を呈すことがある.今回,本病態の7症例(平均74歳)に対し低侵襲治療を目的に,一期的に椎体形成術と後方除圧術を施行し短期治療成績を検討した.術後,腰痛は全例で軽快し,JOA scoreは術前10.6から術後20.3,椎体高は前方と中央で有意に改善した.歩行不能であった3例とも歩行可能となり,跛行は4例中3例で消失した.こく短期間の検討では,同法は低侵襲に骨折椎体の前方支持性と神経症状,腰痛を改善できた.同法の有効性を論じるには症例の蓄積と長期経過観察が必要だが,特に固定術が躊躇される症例で治療オプションとなる可能性がある.

著者関連情報
© 2011 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top